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意識消失発作・失神

「気を失った」という経験は誰もが一回は経験すると思います。1度だけなら様子をみても良いですが、度重なる場合は注意した方が良いです。まずは原因から列挙してみましょう。

  1. 頭蓋内疾患;頭部外傷(脳震盪・外傷性てんかん)・脳卒中(脳出血・脳梗塞)・内頚動脈閉塞症・脳腫瘍に伴うてんかん発作など
  2. 内科的疾患;不整脈・貧血・低血糖・糖尿病・起立性低血圧・電解質の異常など
  3. てんかん;画像検査で異常が見つからず原因不明な発作
  4. その他;迷走神経反射

基本的には上記のように頭蓋内疾患・内科的疾患・てんかん発作、に分けられます。
正しく原因をつきとめるには、問診と既往歴が重要であり、「キーワード」があります。

まず身近なところから頭部外傷です。スポーツ中などで転倒し頭部を打撲した時に意識をうしなうことがあります。これが脳震盪です。意識消失のタイミングが打撲した直後であり、意識の無い時間が短い場合(数十秒以内)はあまり心配がいらないのですが、打撲後から時間が経過していたり、意識消失の時間が長かった場合(分単位以上)や繰り返して意識消失が認められる場合は画像検査や脳波検査をしておくことをお勧めします(外傷性てんかんという病態もあります)。

「どちらかの一方の目に黒いカーテンが降りてきた感じ」;これは網膜を栄養している血管(網膜中心動脈など)が閉塞した場合に自覚されます。(ちなみに白い場合は白内障)また眼動脈が詰まって起こるため、眼動脈に枝分かれしていく大本の血管である内頸動脈が閉塞するとこのような特徴的な症状(これを黒内障発作といいます)が出現します。このような場合は脳卒中の専門医を受診する必要があります。

てんかん発作の場合は、画像検査をし、脳腫瘍や脳血管障害がないことを確認することと、脳波の検査を行う必要があります。

「意識を失う」というと、「脳の病気」を考えてしまいますが、実は内科的疾患の方が頻度が高いのです。いわゆる「立ちくらみ」の場合は、めまいと同様、貧血・起立性調節障害が原因であることが多いです。
不規則なリズムによる心拍の乱れを呈する(特に徐脈;心拍数が減ること)不整脈が原因であることが「失神発作」を起こします。通常の心電図検査で発見できない場合でも24時間持続して心電図検査(ホルター心電図)を行うと治療の必要な不整脈が発見されることもあります。そうなると循環器専門医による投薬治療となります。

糖尿病から意識消失(時には昏睡)を起こすこともあります。糖尿病の患者さんは厳格な血糖値と糖尿病の専門医による投薬管理が大切です。
トイレで息んだときに意識を失うことがあります。これは迷走神経反射による「失神発作」です。これも時々経験します。
(心臓副交感神経の亢進によって過度の徐脈となり、全身の血圧低下を引き起こし、顔面蒼白となって失神を来すものです。 発作直前には、眼前暗黒感、嘔気、頭重感、頭痛、複視、腹痛を伴うこともあります。)
このような患者さんにはトイレで息まないように下剤を処方して予防します。

ともかく、既往歴を聞くことは重要です。原因はなんであれ、意識消失を自覚した際にどの科にかかったらよいかわからない場合には、当サロンへご相談ください。
また他の医療機関を受診しても原因がよくわからなかったという方にも適切にアドバイスをさせていただきます。

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